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「マリアさん、子供好きだもの。ジェイたちといる時の彼女を見てるとそう思う。だけど、そんなことをしたら怜たちに肩身の狭い思いをさせるかもって、それできっと諦めて、だけど、」
どうしよう。この先のことを言っていいんだろうか。でも、やっぱり怜には知っておいてほしい。
「だけど怜がほとんど何も言わずに出て行ってしまった後、マリアさん、自分を責めて心を病んでしまって……」
怜が目を見開いた。
「精神科医のカウンセリングを受けてなんとか安定してきたので、お子さんを作ることを考えてみてはどうでしょうかって提案されたんだって。きっと生きがいになるだろうからと。だから、」
「…………」
「だから怜がいなくなった、さあこれからが新スタートだって感じで子どもを作ったとかそんなんじゃないよ。その逆なんだよ。この家には何度も来たしマリアさんとも何度も話したからそう感じるんだけど……マリアさんはほんとに怜と家族になりたかったんだよ……!」
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