アメリカ編: 何度でも

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「やっぱ久々にこんなもの使うと勝手がわからないな」 (あ、それ……) 怜が持ってるその水鉄砲(ウォーターガン)、さっきあの部屋で開けたプレゼントだ。 「……か、風邪ひくよ? 」 ジェイたちは温水プールに入っているからいいけど、まだ1月だよ? 理佐の言葉に軽く肩を竦めてみせると、怜は隣でこれまた唖然とした表情で座っているマリアに近づいて、身をかがめるようにして彼女に話しかけた。 『これ、昔のものにしてはなかなかいい性能だよ。ところで母さん、タオルどこ? 借りていい? ちょっと拭いてくる』 『え?』 マリアは一瞬、言葉を失ったかのように怜を見つめたが、すぐに 『えっと、バスルームの隣の棚よ。昔と同じ所よ』 と指でその方向を指した。 そして 『レイ、お願いだから熱めのお風呂にも入って。そのままじゃ風邪ひくわ』 とつけ加えた。
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