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マリアお手製のチョコレートケーキの真ん中には、大きな3本のろうそくを囲むように4本の小さなろうそくが立っている。どうやら大きいのは10を意味するらしい。
『よし全部のろうそくに火がついたぞ』
『ハッピバースディ、レーイ~♪』
海先生がろうそくに火を灯した途端、ジェイとウィルの大合唱が始まった。
『レイ兄ちゃん、一気に消して~!』
『吹き消す時願い事忘れないでね~』
歌い終わった二人の勢いに押されながら、怜がケーキに顔を近づけた。
ちょっと手こずったが無事ろうそくは全て一気に消せた。
『なにお願いしたの~?』
ジェイが興味津々な顔で聞いてくる。
『バッカだなあ、リサと結婚できますように、に決まってるだろ!』
ぶっ!
ウィルの即答に怜は口にしていたコーラを吹きそうになった。
「おい……」
『だってリサもう指輪してるよ?』
『あれは婚約指輪って言うんだよ。結婚の指輪とは違うの。ほんとお前は何も知らないんだな』
ここぞとばかりに兄貴風を吹かせるウィルに、ジェイが 『うるさいなー』 と舌を出した。
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