アメリカ編: 何度でも

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『ほらほらお前たち、ケーキ食べるんだろ?』 先生の声に二人はすぐに停戦して 『食べる食べる!』 と飛びついた。 『あれ? 怜兄ちゃんはバースデーボーイだから、食べたい所を一番先に選ばないでいいの?』 ウィルが振り返った。 『いいよいいよ。先に好きなの取って』 『ほんと!? じゃ、僕そこのクリーム乗ったとこ! 』 『えー、それ僕も欲しー』 『僕が先に言った!』 『え~、ずっるーい』 また開戦しそうな二人に、怜が 『ジェイ、こっちのイチゴが二つも乗った所はどうだ。俺ならこっちを選ぶぞ』 と指さした。 『あ、それそれ、それにする!』 とすっかりジェイは笑顔になった。 そんなやりとりを見ながら理佐は顔が緩むのをおさえられなかった。 こんな光景が。 こんな光景が見たかったんだ、ずっと……。
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