アメリカ編: 何度でも

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「あ、そうだ、怜、さっき海先生から何をもらってたの?」 理佐は怜の足元に置いてある紙袋を指さすと、ベンチの方に戻ってきた。 「これ? 別にたいしたものじゃない」 「見ていい?」 怜の隣に座ると理佐が興味深そうな視線を袋に投げた。 「見るほどのもんじゃないよ」 「もしかして高校時代のラブレターとか!? 」 理佐が笑顔ながらも眉根を寄せた。 「なんでそういう発想になるんだよ」 「だって変に隠そうとするから」 「別に、たいしたものじゃないってだけで。見たければ見たら」 怜が紙袋を理佐の方に寄せた。 「え、なにこれ、スケッチブック?」 袋の中を覗き込んでノートのようなものを取り出した理佐は、ページをめくると驚きの声を出した。 「きゃー、可愛い絵! これ、怜が描いたの? いつ頃の!? 」 「6-7歳のころかな」 ひゃー、とかきゃー、とか言いながら理佐は次々にページをめくっては絵を食い入るように見ている。 「そんな小さいころの? でもその年齢にしては上手いね! 」
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