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「あっ」
さほど高くなくてもヒールのある靴を履いてると砂浜は歩きにくい。よろけた理佐の手を怜がさっと握って自分の方に引き寄せた。
その後はパーキングに停めてあった車にたどり着くまで、二人とも何も言わずに手をつないだまま歩き続けた。
「理佐」
怜は車の前に立ち止まると、こちらの方を見ずに理佐の手を少し強めに握りしめた。
「今日は、いろいろと、ありがとう」
「え、……うん」
「…………さ、飯行こ、飯!」
少し間があって怜は振り返ると、笑みを浮かべて車のドアを開けながら理佐に乗るように促した。
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