アメリカ編: 何度でも

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*** 「ねえ怜も食べるの協力して」 理佐の目の前の小皿には小さなケーキが6つも乗っかっている。 怜が理佐を案内したレストランはベーカリーもやっていて、焼き立てのパンやケーキがたくさん入り口のそばのガラスケースに展示されていた。 ケーキには数口で食べられそうなミニサイズのものもある。サンプリングといっていくつも試してみたい客のためのものだ。 チョコレートやミルフィーユやイチゴやキッシュゼリーが層になったものや、そのどれもがおいしそうで、理佐はつい6つも頼んでしまったのだ。 「無理。もう入らない」 二人は先ほどこの店の名物と言われるロブスターなどのシーフードが贅沢なほどたっぷり入ったマリナラソースのパスタを平らげたところだった。 「テイクアウトにすればいいだろ。後で部屋で楽しめるし」 「あ、その手があったね!」 理佐がパッと両手を打ち合わせて嬉しそうに言った。 「じゃ小さいし、もっともらおうかな。……いい?」 怜の返事を聞かずに立ち上がると、またショーケースの方に向かって行った。 「マジかよ」 怜は少しのけぞりながらも (まあデザートは別腹だって言うしな) とショーケースを覗きながらパティシェと話に弾んでいる理佐に目を細めた。
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