アメリカ編: 何度でも

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*** 「さてケーキをしまわないとー」 マンションに戻り身支度を解くと理佐はすぐにキッチンに向かい、冷蔵庫の扉を開けた。 大丈夫、箱ごと入りそうだ。 「これでよし!」 ケーキの箱をしっかり納めて冷蔵庫のドアを閉めると同時に携帯が振動した。 こんな時間に誰だろう。 画面をタップすると今日会ったばかりの海先生からのメッセージだった。 >理佐ちゃん、今日はよく怜を連れてきてくれたね。マリアのこんな嬉しそうな様子を見たのは久しぶりだ。本当にありがとう。 絵文字こそついてないが、行間からスマイルサインが溢れ出ていそうなメッセージだ。 マリアさんが喜んでくれてよかった! 理佐も笑みを浮かべると携帯に文字を打ち込み始めた。 >こちらこそ、おいしいケー あれ? 手の中からスッと携帯が消えた。 慌てて振り返ると怜が真後ろに立っていた。 「こんな時間に誰に嬉しそうにメッセージしてるの」 「え、あ、かいっ」 怜の影が理佐の顔に落ちる。 すぐ背後には冷蔵庫があるので逃げ場がない。 カタン、と音がしたのは携帯をどこかに置いた音なんだろうか。 「んんんっ」
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