アメリカ編: 何度でも

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あれ……? 怜のパジャマもそろえてベッドルームに行ったが、そこに彼の姿はなかった。 キッチンの方から音がするので向かうと、怜が食器を次々とゆすいで食洗機に入れていた。 「あー、ごめんごめん、一人でやらせちゃって」 「……ちょうど終わった所。風呂にお湯入れるか?」 怜が手をタオルで拭きながらバスルームの方に視線を投げた。 あれ? だってさっき……。 「あの、でも」 これからスルんじゃなかったの? とはさすがに聞きにくい。 「さっきのメッセージは親父から?」 「そうだよ、今日のお礼。なんでわかったの?」 「俺にも来てたから」 冷蔵庫の上に手を伸ばすと 「邪魔して悪かった」 と言って理佐に携帯を返した。 「あの、まさか、他の男の人とメッセージしてたとか思ったの?」 「別に疑ってたとかじゃない。たださっきはあれ以上待つのがちょっとキツかっただけ」  そう言うと怜はバスルームに向かおうとした。
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