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「うーん……」
「おい、寝るなら何か着たほうがいいぞ」
なんといってもまだ1月初めである。しかもあと数時間したら空が白み始める時間になっていた。深夜から朝方にかけてはさらに冷えこむのだ。
「足だるーい」
半分以上寝かかっている声に説得を諦め、怜はベッドわきに降りて散らかっているシャツやらセーターやらをかき分けた。理佐の下着はどこにあるんだろう。
まあここまで理佐を疲れさせたのは自分のせいだ。
そしてこの床の惨状も自分のせいだ。
数時間前、ベッドルームに入るなり理佐の顔といい体といい、あちこちにキスの雨を降らせながら彼女の着ているものを次々と剥いでは所かまわず床に落としていった。その時はもう、一刻も早く理佐の肌に触れたい、そのことしか頭になかったからだ。
これか?
それらしきモノを見つけ、さらにベッドの片隅に理佐が置いていったパジャマも見つけると怜はくたっとしている理佐の元へ戻った。
「理佐、ほら、足上げて」
「頭もちあげるぞ」
なんだか大きな着せ替え人形と遊んでいる気分だ。
なめらかな肌を見ているとまた欲がムクムクと頭をもたげそうになってきたが、さすがに自分も疲れているのでそこは深呼吸をひとつして抑え込んだ。
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