アメリカ編: 何度でも

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*** 『こちらでよろしいですか』 『すみません、ありがとうございます~!』 陳さんがカートに乗せて部屋まで運び込んでくれた段ボール箱を次々とおろしてくれた。 この前ジョセフの所に運び込んだばかりの荷物は、そのままそっくり理佐たちのマンションに戻ってきた。陳さんたちロスの事務所の人の助けを借りて。 あまり出発まで日もないし日本に行っている間はどのみち使わないものがほとんどだから、ジョセフに預かってもらったままでもいいのではと理佐が言ったが、怜の 「絶対にだめ。先方にも申し訳ないし」 の一言でこうなったのだ。 理佐の私物が他の男の元にあるとかありえないだろ! ……という本音はあえて言わないでおいた。 戻ってきた荷物に、これから日本へ行くための旅の荷物。 いくつも部屋がある高級マンションなのだが、そこら中に置かれた箱やらスーツケースやらで散らかり放題だ。
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