番外編 (日本にて): あの人の急襲

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「……なに?」 「初めて会った日」 「え?」 「この4桁はスペインの片田舎で理佐と初めて会った日だよ」 え? あっ っていうか…… 「よ、よく覚えてたね?」 「忘れるか普通? あんな印象的な事件まであった日なのに」 事件とは私が泊った安ホテルの部屋に男が侵入しようとして怜に助けてもらったことだろうか。……だよね。 「深夜に助けに飛んでったのに、俺の印象そんなに薄かったのかー」 大げさに嘆かわしそうに言う怜に、「違う違う、それはよっく覚えてます、感謝してますって!」 と飛びついた。 「きゃっ」 腰を掴まれくるっと半回転させられて両手で頬を固定された。 「んっ」 「これから仕事だからここまでな。お詫びは夜してもらう」 じゃ、行ってきます、と目の前でパタンとドアがしまる。 …………。 お詫びってなにするの、お詫びって! しかし実はこの先、私にはさらに大きな騒動が待ち受けているのであった……。
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