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綾菜と喫茶店で会ったあの日、帰りに彼女は私のアパートに寄り、パソコンを立ち上げて二人で彼の住所に関して検索をかけた。
私がすでにグーグルマップで調べて場所の見当はつけていたけど、パリに関しては土地勘のある綾菜が確かめてみたいというので連れてきたのだ。
「彼の名前はRei Shoji。どういう漢字なんだろう」
綾菜が領収書を見ながらつぶやいた。
「庄屋の庄につかさの司、庄司じゃないかな」
そういえば怜は最後まで苗字も言わなかったな。
今更ながら、なんて限られたことしか知らなかったのにあそこまで愛し合えたんだろうかと不思議になる。
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