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スクリーンにはいくつものアイコンが並んでいる。
『シュウ、なに見せたい? カラオケリーディング? 』
『そうだね』
カラオケリーディング?
秀先生が見せてくれたのは、彼が開発中の幼児や小学校低学年用の音読プログラムだった。
始めに栄詳が出している子供向けの絵本や物語のリストが出てくる。その中で好きな本を選ぶとページ画面が出てくるのだが、そこにある文を声を出して読んでいくとまるでカラオケの画面のように文字が変わっていくのだ。間違うとぴぴぴぴと可愛い警告音が出る。
それだけじゃない。
「声も変えられるんですよ」
自分の声がまるでお爺さんのような声になったり、ロボットみたいになったり、物語の役柄でも変えられる。
「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばちゃん、」
ぴぴぴぴ!
「なに間違えてるの」 呆れた母に、「わざとだよ、だって面白いんだもん」 と反応するとさらに呆れた顔をされた。
「声優さんの声にもなれます」
何人かの人気声優さんが協力してくれているのだ。
「その手を放すんだ! 」 おおお、なんてイケボな私の声!
背景に効果音やBGMもどきまで流れているので、ちょっとした役者気分になれそうだ。
「で、このプログラムはなんのために? 」
「幼い子供の言語習得に音読がとても大事なことは知られています。だから学校での宿題でもよく出されます。でも正直、ただ読んでるだけなんてつまらないでしょう? 」
秀先生が肩をすくめた。
「アメリカにいた頃、樹利亜が週末に通っていた日本語学校で出された音読の宿題を終えるのに苦労したんですよ。同じページを3回読めとか、大人でも飽きます。なのでなんとかこの学習経験を楽しくできないかと思いましてね」
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