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「栄詳を今後どうしていきたいか、彼とは何度も話しました」
やっぱりそうだ。秀先生、わざと怜の名前を出さないようにしている。
「確かに現代は教育も音楽もアートも文学も、デジタル化というか電子技術を通して接することが多くなってますよね。今お見せしたパソコンを使っての教育もそうですし、ネット配信される音楽、電子フレームで展示できる写真や絵、それに携帯やタブレットで読める小説とかも」
「そうですね」
「だけど僕も彼も、昔からのいわゆるアナログな形の表現方法がなくなるとは思ってないんです。確かに数は減るかもしれないけど、大切なものが残る。というか、大切なものほどアナログで残したくなるのではないかと思っているんです」
ガタン、と音がした。母が身を乗り出して聞いている。
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