番外編 (日本にて): あの人の急襲

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「もちろんいいけど、電話でいいなら明日と言わず今でも話せるよ? 」 「でもそこに彼もいるんでしょう? 」 「そばにはいないよ。書斎で仕事してるから」 怜に聞かれたらまずいようなことなんだろうか? 「そうなの……」 「なに? 」 なんだか気になる。 「何かあった? 」 「…………」 「ねえ、気になるから言って? 」 「いや、あのね……」 なんだろう。不安が拡がり始める。 「……永嶺さん、とても、本当にとても素敵な方だけど」 そこでまた母は沈黙してしまった。 「けど? 」 「正直に言ってちょっと不安だわ」 「え、なんでっ!? 」 今日怜に会ってからずーっと怜に見惚れていたくせに、いったいなにがどうしたらそんな感想になるんだろう。 「あなたが辛い思いをするんじゃないかと思うのよ」
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