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帝国ホテルのバー、インペリアルラウンジ・アクアは最上階の17階にあり、昼間はラウンジで出されるアフタヌーンティーが人気だ。その奥にはマントルピースやソファがしつらえてある重厚感のあるバーが控えている。
落ち着いた雰囲気の中でゆっくり話すにはいい場所だという怜の勧めに従い、私は母とそこで会うことにした。
「すごいわ、素敵ねえ」
母は窓際のソファ席に座って東京の夜景を眺めていた。
「話すのは明日の朝ごはんでもよかったのよ? 」
「だってこのままでは気になって眠れないもの」
まずはオーダーを入れて乾杯する。
「……実はね、あれから孝之兄さんとも話したのよ」
「そうなんだ。……伯父さんは、なんて? 」
「永嶺さん……あの人が兄さんをクビにした人なのね」
!!!
母の強い視線から目を逸らせない。
確かに、4年前に伯父さんを解雇したのは怜だ。
だけど、それにはのっぴきならない理由があって……
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