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確かに離れてくらしていたこの4年間、怜の私生活でどういうことがあったのかを全て知っているわけではない。
今はわからないけど役員秘書の粟谷さんは怜のことを好きだったんだ。そして仕事ではずっと彼の近くにいられる立場なのだ。私なんかよりずっと長い時間、そばにいられたんだ。
それに怜の寝顔を盗撮した若い秘書もいた。
会社の、それも10階の重役フロアだけでそんな状況なのだから、それ以外の場所でも……?
あんな風にいつも見つめられたり、もしかして告白されたりしたんだろうか?
「……あなたに余計な不安を与えてしまったかもしれないわね」
母にそう言われて黙り込んでしまっていた自分に気がついた。
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