3597人が本棚に入れています
本棚に追加
/1588ページ
「怜のせいじゃないよ」
はあ? と不可解な顔をされた。
「怜が……怜が素敵すぎるからだよ。だから今までもモテただろうし、これからもそうだろうから、妻になる人は苦労するわよ、って」
「…………意味わかんねえ」
目の前で彼が困惑している。
「……それって褒められてるわけじゃないよな? とにかく、お母さんがなに誤解してるのか知らないけど、この4年間は寝る暇もない忙しさでモテるとかなんとか、そんな事考えたこともなかったよ。というか、」
私の肩に怜の手がかかり、ぐいっと彼の方に引き寄せられた。
「俺が女のことで考えるとしたら理佐のことだけだ。以上。わかった? 」
「……ほんとに? 」
なんだか目の奥が熱くなってきた。
「それ確認する必要があるほど信じてもらえてなかったのなら、むしろ俺の方がショックだな」
「……ごめんなさい」
最初のコメントを投稿しよう!