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「もっと気になったのは、なんだかとても疲れている感じだったんです。食事と言えば接待か男が一人で作る簡単なものだから栄養も偏るだろうと思って、しんどい時はウチに食べに来い、体にいいものだしてやるからって言ったんですよ。それからかな、月に2-3回、ウチで食べていくようになりました」
「そうだったんですか……」
怜の健康を支えてくれてありがとうございます、と心の中で頭を下げた。
「ところがね、ある日閉店30分くらい前に彼がやって来たんですが、どうも様子がおかしくて」
え、何があったの……!?
「閉店時間が迫っても帰ろうとしないんです。でもあまり食は進まない。彼にしてはいつもより飲んでいる。それで―――」
西方さんが追想の顔つきになった。
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