番外編 (日本にて): あの人の急襲

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「理佐だよ」 「は? 誰?」 「理佐。俺の彼女」 「へ? え? ええっ!? なに、お前にそんな人いたのか!? 」 「話してなかったか? 」 「してないよ。おっどろいたな。パリにいた頃は恋愛に興味はないってあんなにハッキリ言ってたくせに。まあよかった。……じゃあこんどぜひその()もつれてこいよ」 「無理だよ。今アメリカにいるんだ」 アメリカ? じゃあアメリカに行ったというのは、その理佐さんという人に会いに……? 「あー、アメリカになんか行かせるんじゃなかったーっ!! 」 おい、いきなり叫ぶな! まだ客がいるんだぞ客が! 「だけどアメリカから戻ってきたってことは、その彼女さんに会えたってことだろう?」 「そうだけど、会ってしまうともっと会いたくなる。戻ってからのほうがキツいんだ」 会いたいけど、会うと離れた後がもっと苦しくなるってやつか。それはわからないでもない。自分だってフランスで修行してた時は今の妻、当時は彼女だったが、遠距離恋愛だったのだ。
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