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…………!!!
耳元でそう囁かれたので顔に一気に熱が集まってしまった。
あまり甘い言葉を口にしない怜だけど、たまにこうやって爆弾を落とす。
「なに固まってんの」
「だ、だって……」
急にらしくないことを言われたから! とも言えずに口をパクパクさせた。
「ふぁー、疲れた」
怜は今度は小さくあくびしながらそう言うと、私の肩にもたれかかるように頭を乗せてきた。
ちょっとなに、これ、なに!?
こうやってもたれかかるのはいつもは私がやることだ。こうすると怜が私の背中に腕を回してさらに引き寄せてくれる。そうして彼に密着してるだけで何があっても心が満たされていくのだ。
ということは次はこうしなくては、と腕を彼の背中に回してみた。体格が違うんで手がうまく届かない。仕方がないので彼の耳の上あたりの髪の毛に触れてみる。
さらさらと指の間から彼の髪の毛がこぼれる。
怜の毛、柔らかいな。
されるがままになっている彼の表情は私からは見えない。
でも不思議なことに、こうしているとなんだか私の方が暖かい気持ちになってくる。
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