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「式をどうするかも考えないとな。理佐はやっぱりドレスとか着たいだろ? 」
私を泣き止ませたいのか、怜が急に具体的な話をしだした。違うよ怜、これは嬉し涙なんだよ。
「また水島夫人に雑誌でも頼むか」
「……雑誌? 」
「ん、ブライダルマガジンってやつ? 彼女、結婚関係のムック本を作ったことがあるらしくて詳しいんだそうだ。だから前に水島に無理やり持たされた」
持たされた? 日本のブライダルマガジン? あれ? なんか既視感が?
「それ、アメリカに来た時持ってきた? 」
「なんで? 見たのか? 捨てたはずなんだけど」
「スタジオの受付の子たちが見て騒いでた。綺麗な写真が満載だって」
ということは、怜は、そんな雑誌まで持ってくるほど本気で私を連れて帰って結婚する気だったの!?
だけど私に言うこともなくその考えを諦めその雑誌も捨てて……
「うぇ、うぇ、ごめんなさいぃーーー」
「ちょっと待った、そこでなぜまた泣く!? 」
焦っている声が耳元に響いた。
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