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「…………はあ~」
「疲れたか? 」
「……うん。ていうか、怜の方が仕事もしてて疲れているはずなのにー」
なんであんなに私をいじりまくり触りまくり……あああ思い出してしまった!
「理佐からもらうエネルギーは別物だから」
内心密かに悶える私にお構いなく、怜がさらりと言う。
「……そうなの? 」
「ん」
冬なのに少し汗ばんだ額にはりついた髪をその指先で優しくどけてくれた。
「西方と話していたら、会いたくて会いたくて会えなかった頃の事を思い出した」
「それでいつもよりさらに燃えちゃったの? 」
怜は笑うだけで答えなかった。
「次はお父さんだな」
私の横で腹ばいになった怜が考え込むように言った。
「父? 」
「娘の父というのは手ごわいもんだろ? 」
「んー、普通はそうなのかもしれないけど、うちは母の方が主導権握っているし」
「そうなのか? 」
「それに父はほら、アート畑の人だから。怜とは気が合うかもしれないよ」
「だといいんだが」
「うちにはさ、栄詳が出したアート本が結構あるのよ」
「爺さんが出版したやつか」
現社長のアート好きは業界では知られている。
「そうかな。とにかく、そういうところから話をもっていけばいいのでは? それに母が加勢してくれるから大丈夫」
「そう思う? 」
「うん」
だって母ったら、カフェでも社内でも怜を見てる目がハートマークだったし!
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