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日本、そしてアメリカと、怜と何年も離れざるを得なくなって寂しいことも辛いこともたくさんあった。
でもなんとか乗り越えて今ここに二人でこうして一緒にいられる。
これが当たり前じゃない。会えなかった日々を、長い時間を、お互いの事を思って二人とも耐えてきたから今があるんだ。
これからもまたいろいろなことがきっと待ち受けているんだろう。でも怜とならきっと乗り越えられる。そんな気がする。ううん、乗り越えるんだ。
「怜?」
「なに?」
携帯を見ていた怜が目をあげてこちらを見た。
「これからもずっとよろしくね」
「……なんだよ今更」
「えへへ」
いやちょっと言ってみたかっただけです。
「……よろしかろうが、よろしくなかろうが」
怜が私の右肩を掴んで耳元に唇を寄せてきた。
「絶対にもう離してやらない」
< あの人の急襲・End >
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