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 気づくと、俺は何事もなかったかのように自転車をこいでいた。  ポケットに入れたスマートフォンが震える。  あの時ここで止まってしまったから、ぶつかったんだ。  俺は無視して自転車をこぎ続ける。  どうせ迷惑電話だし。  下り坂に差しかかり、念のためブレーキに指をかけながら下る。  さっきぶつかった場所――無事に通過!  ふーっと安堵の吐息が漏れたとき、背後から衝撃音と悲鳴が聞こえた。
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