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急ブレーキをかけ、振り返る。
そこには、3時間前に見た光景が。
違っているのは、地面に倒れているのが俺ではなく、小さな女の子だということ。
俺は自転車を投げ出して駆け寄った。
赤いワンピースを着た小学生くらいの女の子が、足と額から血を流している。
「これ……」
女の子は震える手で、俺にスマートフォンを差し出した。
「これ、俺の……」
「お兄ちゃんのポケットから落ちたから……、渡さなきゃって思って……」
堪えていた涙が、女の子の目から溢れ出した。
「救急車!」
お店から出てきたおじさんが叫ぶ。
俺はその子の手からスマートフォンを受け取り、電話をかけた。
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