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 いつもの帰り道を、自転車をこいで帰る。  橋の上を通過したところで、自転車を止めた。  自転車から降り、川を眺める。  これで良かったんだ。  さすがに、分かっていて荷物に突っ込むのは勇気がいったが。  せめてブレーキはかけた方が良かったか?  というか―― 「あー!」  自分のバカさに気づいて、がっくりと肩を落とす。  別に、時間を戻す前と同じことをしなくても良かったじゃん。  立ち止まる時間を長くするとか、ポケットからスマートフォンが落ちないようにするとか、自転車を押して歩くとか、誰も怪我をしないで済む方法はいくらでもあったはず。
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