MENU3:なまえのない薬

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* 「虎太郎さんは、医者だったの」 「あ? ……ああ、そうだなぁ」 「ふうん」  ランチカー・タイガーバードは、更に南に向かっている。 「で、こりすはどこにいるんだよ」 「知らない。早く見つけて」 「無茶言うな。つーかちょっとくらい覚えてるだろ。景色とか、園の名前とか。だってお前、高校までそこにいたんだよな」 「おぼえてない」 「……あっそ」  覚えてないと言いたくないは同義語だと、虎太郎は知っている。
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