114人が本棚に入れています
本棚に追加
/168ページ
*
「虎太郎さんは、医者だったの」
「あ? ……ああ、そうだなぁ」
「ふうん」
ランチカー・タイガーバードは、更に南に向かっている。
「で、こりすはどこにいるんだよ」
「知らない。早く見つけて」
「無茶言うな。つーかちょっとくらい覚えてるだろ。景色とか、園の名前とか。だってお前、高校までそこにいたんだよな」
「おぼえてない」
「……あっそ」
覚えてないと言いたくないは同義語だと、虎太郎は知っている。
最初のコメントを投稿しよう!