MENU1:砂糖を憎む姉、砂糖を夢見る妹。

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*  はぁ、と深い溜息を吐く帰り道。  ――あれから2日。 麻美は大事をとって入院した。 血糖値はもう普段通りに回復しているとのことだったけれど、 なんとなく顔を出し辛く足は向かない。 かといって、家に帰る気分にもなれず、 衣美は家の近くの公園を、フラフラと歩いていた。 “みなと公園”と名づけられたこの公園はとても広く、 池や、芝生の広場や、バスケットコートや、そして小さなカフェもある。 子供の頃はよく麻美と遊んだものだと懐かしく思いながら、 目的もなく池の周りを歩いた。
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