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すると、そんな時ふと公園の駐車スペースに、見慣れないものが目に入る。
近寄ってみるとそれはキッチンカーで、どうやら食べ物を販売しているらしい。
「こんなとこに、お客さん来るの……?」
独り言をこぼしながら、車から10メートル程度離れたベンチに腰掛ける。
別にお腹がすいていたわけでもなかったけれど、
衣美はこの辺りには珍しいキッチンカーに、ちょっとだけ興味を惹かれていた。
しかし、遠目に見る看板には、メニューは書かれていない。
“タイガーバード”という変な店名と、“営業中”の文字のみだ。
――変な名前。そもそも何屋なのよ。商売する気あるの?この車。
心の中で、何の罪もないキッチンカーになんとなく八つ当たりをする。
するとその時車の陰から、一人の女性が現れた。
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