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何、この人。
あっけに取られる衣美を他所に、彼女はサーバーフォークを抜き取る。
そしてその巨大なパンケーキに、改めて突き刺した。
とんでもない量がフォークに刺さったけれど、
彼女は一切躊躇なくそれを口に押し込む。
そして飲み込みもしないうちに、またパンケーキにフォークを刺した。
夢でも見ているような光景だった。
彼女は特に表情を変えぬまま一定のペースでパンケーキを口に放り込み、
ものの5分で皿の上を空にすると、満足気に大きな溜息を吐く。
改めて彼女を観察するも、細く、華奢で、到底あんな量が食べられるような見た目ではない。
痩せの大食いとはよく言ったものだが、
明らかに度を越えていた。
そして、そんな時。
「虎太郎さん、次!」
また、イメージと随分違う大声で、彼女は誰かの名を叫んだ。
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