第2章「確信」

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その日から俺の周りでは、命が危ぶまれる出来事が頻繁に起こるようになった そしてことごとくそれらを回避した時には決まって 「また過去に戻ったか」 そう実感する 根拠はない 明確に未来が見えるわけではない しかし危険な事柄が目の前で起きると、自身がそれに巻き込まれて命を落とす瞬間が鮮明に脳裏を過る そして「過去の自分に戻った」と確信する 何故そうだと確信できるのかは言葉では答えられないことがもどかしくて仕方がない まるで「どうやって呼吸をするのか?」という問いに答えるかのようだ それでもこれまでの常識から逸脱した事柄は確かに存在している こうして俺は「過去に戻る力」を手に入れた
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