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ピンとくるものがあってページをめくって中身に目をやると、その紙も通常の樹木製ではなく羊皮紙で、言語はフィリアには読めない類のものが使われており、トドメとばかりに牛――が立って、手に斧のような剣のような武器を持っている挿絵を見つけた。
間違いない。
「先生――――っ」
それを確認するや否やフィリアは、礼拝堂地下の第一大図書館の通路を叫び声を上げながら駆け抜けていった。
フィリアは黒いショートブーツをがたがたと響かせながら、走った。
礼拝堂を出て左に折れて中庭を横切って、学修棟に入る。
エレベーターがついてないことを毎度のように恨めしく思いながら、恐ろしく急勾配の細い螺旋階段を駆け上がりつつ、四階上がるごとに一回休んだ。
普段あんまり走らないものだから、久々に走って自分の胸がやっぱり人より大きめだという事実に若干落ち込んだ。
揺れて、痛い。
そしてまた走り出す。
そんな事を三回繰り返した末、ようやく目的の部屋の前に辿り着いた。
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