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翌朝千捺は藩邸に行く前にある場所を訪れた。
それは彼女が9つの時に剣術を学んだ師匠がいる桐野道場。
門に入るなり師匠の桐野秀秋〔キリノヒデアキ〕が出迎えてくれた。
彼は昔よく彼女と手合わせした部屋に行き、何も言わず竹刀を彼女に投げ渡した。
「師匠、これは一体?」
彼女の問いに秀秋は即答する。
「竹刀だ」
(いや、見りゃ分かるわ!)
千捺が聞きたかったことは何故それを渡してきたか、だ。
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