第1章 脱藩の決意

12/44
前へ
/44ページ
次へ
それに千捺は気付いていても何も言わない。 そして今日も何も言わずついて行く。 道場の広間では二人の竹刀が鳴る音だけが響く。 基本的に桐野道場ではどこの流派とも対等に戦えるように様々な流派の型を学び実践する。 千捺の一番の修業相手は彦斎である為、 彼から彼独自の流派、不知火流〔シラヌイリュウ〕を学んだ。 様々な流派を使いこなせる千捺だが、 か弱い女の身がどうしてもネックだ。 鍔〔ツバ〕迫り合いになればひとたまりもない。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加