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そんな面子で始まった忘年会だが、なんというかカオスだった。
夜中から始まった忘年会の夜ご飯は闇鍋で、全員が全員まともでないものを持ってきたために見た目だけでも精神が削られるようなものとなり、早々に罰ゲームと化した。
それからがさらにひどい。誰が食べるかを巡ってボードゲームに某人狼を当てるゲームなどが始まり、それをプレイしていく中でさらに煮詰まっていく鍋。
最終的にカケが最下位になり、始まる乱闘。
訳がわからなかったが、忘年会とはそういうものなのかもしれない。昔成田家でやっていた忘年会も、何百万賭けて行われる家族麻雀とかやってたし。
ちなみに大藤は心理系のゲームは全勝していた。
果たして結局あの鍋を食べたカケは大丈夫だったのだろうか。
「静也様、到着致しました」
のろのろと目を開けると、武田さんが車のドアを開きながらそう告げてくる。
一気に入り込む冷たい空気のおかげで、薄っすらと付きまとっていた眠気は完全になくなった。
外へ出ると立派な日本庭園が広がっていて、妙な懐かしさと張り詰めたような緊張感が訪れる。
着いた時間が遅かったためだろうか。親戚と呼べるか呼べないかくらいの繋がりの人が暇を持て余したのか、はたまた鑑賞のためなのか、ちらほらと庭にいるのが見える。
俺の姿を見て顔を顰めている人物や、逆に話しかけたそうにしている人物など色々いるが俺は全てを無視して本邸に入る。
さて、ここからは本格的に演技をしなければいけない。
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