第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
 2012年。  今日は良く晴れており、普段はものぐさな俺でさえ布団を干したくなる衝動にかられるくらい暖かな日だった。  俺は右手に構えた箸でピザポテトを詰まんで食べながら、テレビの中で闘うプリキュアを力の限り応援する。至福の一時であった。  しかしその平穏は、突然家の中になだれ込んできた複数人の黒服と一人の女性によって、強引に破壊される。  人の家に押し入るなり、彼らの引率者的存在であろう女性は、返事は求めていないと言わんばかりの高圧的な笑顔と共に言った。 「貴方さえCO2を排出しなければ、京都議定書の数値目標は達成出来るんです。なので死んでください」  間もなく黒服の放った銃弾が俺の頭部を貫く。    ええ……、俺が息してるだけでそんなに二酸化炭素が発生してたのか……。今度生まれ変わったら地球に優しいエコな生き物になりたい。  ということで、俺は草になったのだ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加