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高校1年から2年生に進級する春休み。
俺はコンビニでバイトをしていた。
別にお金に困っているわけじゃない。父は単身赴任ながらウチに毎月仕送りをしてくれていた。ただ、あくまでそれは生活費であって、欲しい物があったらバイトをするしかない。
俺は最新のゲーム機、「PS(パーフェクトステージ)4」が欲しかったから働いていたのだ。
それとは他に、バイトの目的は2つほどあった。
1つ目は……バイト仲間くらいしか話し相手がいない。
要は校内で会話できる友達……とまではいかなくても話し相手がいなかった。
コレは俺が極端なコミュ障と言うわけではなく、通ってる学校が異常なのだ。
セリス国際女学院高等部――俺が1年も我慢して通っている高校だ。呼んで字の如し、本来は女子高なんだが、俺の入学と同じ年に男子入学も解禁となった。ただし由緒正しき名称と長い歴史があるため、校名は変更していない。当然、この学校名で男子が入学するはずもなく、1年生の1年間、全校生徒で男子は俺1人だった。
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