☆prologue☆

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四ノ宮医師に促され、憐は恥ずかしそうに答えた。 「…初めて、大事な人が出来ました。あっ、あの、別に恋人って訳じゃないんです、大学の同期で…。でもそいつになら、どんな無様な姿もさらけ出せる気がします」 恋人ではないと言いながらも、その相手に対して格別な好意を寄せているのが、傍目からも明らかだった。 「そうですか。それは良い傾向ですね。今度は、その方の話をじっくり聞かせて頂きたいものです。では検査結果は、次回に。」 「はい、有難う御座いました。」 礼を言って憐が出て行くと、おもむろに四ノ宮医師の背後のカーテンが開けられる。 そこから出てきたのは、なんと木暮梛音だった。 四ノ宮医師が驚かない処を見ると、彼の了解済みなのだろう。 「良かったですね。ようやく念願叶って両想いですか?大事な人と言うのは貴方の事でしょう?」
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