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第2話 ありのままに
梛音と初めて身体の関係を結んだ日から一夜明け、俺は今、自分の履修していない授業を受ける事を余儀なくされている。
なぜここに来るハメになったのか?
それは梛音に自分の代わりに出席するよう、脅迫されたからだった。
梛音は今頃、俺とのセックスで痛めてしまった身体を、俺のアパートで休めているところだろう。
遡る事、数時間前ーーーーーー
「ねぇ、憐、お腹すかない?」
ベッドから半身だけ起した梛音が尋ねた。
ガキの頃以来、久しく流して居なかった涙を流し、俺は魂が抜けたように惚けていた。
が、梛音のそのひと言で我に帰った。
良く考えれば、俺も梛音も昨夜はほとんど食事を取れていない。
お互い空腹なのは当然の筈だった。食べ物かぁ。
「悪いな、家には大した物が無いんだ。どっか外で食べるのでもいいか?」
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