プロローグ

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今、目の前で起こっている事。 今、目の前にいる誰かの事。 正直、興味が無かった。 誰に見られているとか、誰の目を気にするとか、そういう事も問題外。 言いたい奴は好きに言うし、言いたくない奴は言わないし、いちいち気にするのもバカバカしい。 今夜のデートにしたって、割り切ってくれるならいいよ。 だけど、明日の事まで解らない。 だいたい、『気持ち』なんて要らないでしょ? 男と女、ヤる事は一個しかないんだから。 俺は本気にならないけどね、それでもいいならどっか行く? そう、それが俺の条件。 なんで?って…。 あんたに答える義理は無いけど、しいて言うなら、どっかで忘れてきたんじゃねぇ? 人を好きになる、『本気の気持ち』ってヤツ。 可哀想? そう言う女、他にもいたな。 私があなたを変えてみせる、とか思うんだろ? 無理無理。 俺、女に執着ねぇもん。 『仲間』がいて『音』と『酒』と『煙草』があれば、女抜きでもへーきなんだな、実は。 やっぱ気が変わった。 デートの話は無しね。 なんで、って、また質問? あのさ、俺、相手は他にもいるんだよね。 あんたそういうの割り切れないタイプでしょ? それが理由。
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