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2週間後。
ガル。
メインストリートから1本外れただけなのに、街並みはガラリと様子を変えた。
空気の匂いさえ違っている。
荒れ放題のガルは当時のまま、何ら変わることなくそこにあって、そうあり続ける事を誇っているかのようにもみえた。
街の中心であるストリートを歩いて行くと、どこに潜んでいたのか、太いチェーンを首から垂らした目付きの悪い男が現れた。
1人が2人に。
2人が4人に、6人に。
その数はどんどん増え、金属を引き摺る音を立てながらついて来る。
2人が目指す『CHAOS』というバーにたどり着く前に行く手を塞がれ、ついには囲まれた。
殺気立つ男達。
それとは対照的に、非常に冷静に、だが鋭い眼光を放つ大和。
『レックスに会いに来たの』
沙蘭が口を開いた。
『レックスならこの奥だ。
奴に会いたきゃ、俺達の相手を先にしてもらおうか』
下卑た笑いを浮かべた男が彼女の肩に手を掛けた…、と同時に大和の左ストレートが炸裂。
男は吹っ飛び、それが襲撃の合図となった。
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