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沙蘭が振り返った。
『レックス、聞いたわよ。
私をダシにしてリズに近づいたそうね』
悪戯っぽい目で笑っている。
『バ、バカ言うな。
おまえがいなくなってからリズがいつも寂しそうな顔して歩いてたから。
だからおまえの話で盛り上がってただけだ!
下心なんかねぇぞ!』
『ふ~ん。
私の話で盛り上がるとリズのお腹がこうなっちゃう訳だ?』
『う…』
『レックス。
おまえの負けだよ?
認めろよ』
大和が笑う。
2人が、してやったり、という顔でレックスを見ている。
『まったく。
俺にこんな態度とる奴、他に居ねぇからな?』
2人が肩を寄せ合って笑う。
素早い指の動きで、どうやら内緒話をしているようだ。
交互にレックスを見ては、くすくす笑っていた。
『ところでヤマト。
おまえらはどうなんだ?
見た感じ、いい雰囲気だけど。
アイツ口説くの大変だったろ?』
『そりゃもう、ね。
5年かかったよ。
で、その間、俺、2度振られたんだよ?』
『凄ぇな、ヤマト。
おまえ根性あるな。
たいがいの男は諦めるんだ。
アイツ、ほんと素っ気ないからさ』
『まぁね。
俺は根性と体力だけが取り柄だからね』
同じ頃、日本――
〈大和 ニューシングル『Labyrinth』リリース決定!〉
ファン待望のニュースがメディアに流れていた。
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