第1章

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遠くて電話が鳴ってる… 「んっ…寝てたんだ… はい、鈴木です…」 『長坂です…柚乃は大丈夫でしょうか? ご迷惑かけてませんか?』 「だいぶ良くなりました… いまはお昼寝してます」 『ありがとうございます すみません…早く帰ろうと思ったのですが 予定より長引いてまして…』 「柚乃ちゃんならご心配なく… 私が責任持って預からせていただきますので お戻りになったら連絡いただければ… 私の自宅も病院から近いので そちらで待っててもらいますね」 『そんな…申し訳ないです…』 「全然…お気になさらないで ゆっくりお仕事して来てください」 『ありがとうございます それではお言葉に甘えてお願いします…』 電話を切って柚乃ちゃんを見ると かわいい寝顔で寝ている 私にもこの位の子供がいても おかしくないんだなぁなんて思った 私は柚乃ちゃんの隣でまた眠りについた 「マ…マ…」 目を開けると柚乃ちゃんが私をのぞき込んでいた 「柚乃ちゃん…」 「しーし…」 「しーし…あっごめん、我慢できる?」 柚乃ちゃんは頷いた 「柚乃ちゃん起きてたんだね… ごめんね…気がつかなくて…」 柚乃ちゃんをトイレに連れて行くと 「あれっ…柚乃ちゃんには大き過ぎるね 押さえててあげるから我慢してね…」 トイレの帰りに小児科病棟に寄り ナースステーションに向かった 「あらっ、優愛先生どうしたの?」 「この子急患で来たんだけど いまトイレ連れて行ったら 子供には大き過ぎて落ちそうだったの ここに補助便座の予備がないかな?」 「あるわよ…いま持って来るわね」 看護主任の小佐田さんが倉庫に取りに行った 「これで良かったら返さなくてもいいわよ 試供品で貰ったものだから」 「ありがとう…助かります 柚乃ちゃん、これでもう安心だよ ねぇ柚乃ちゃん、お腹すかない?」 柚乃ちゃんは頷いた 「よし、何食べよう…」 「うどん…」 「うどんね…じゃ、食堂に行こう…」 地下にある食堂で2人でうどんを食べてると 「かわいい!まさか先生のお子さん?」 「ママ…」 「ママって…本当にお子さんなの?」 「大きな声出して…子供が怖がってるでしょ 私の患者さんよ…」 「きっと事情が、あるんですね…」 「ちょっと!勝手に想像しないでよ…」 「はいはい、お邪魔しました…」 周りのみんなが私と柚乃ちゃんを見てる
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