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「パパぁ~ママぁ~」
ドアが開き柚乃ちゃんが帰ってきた
「おかえり、柚乃」
「柚乃ちゃん、おかえりなさい」
柚乃ちゃんは満面の笑みで
「ただいま!」
「柚乃ちゃん早~い、病院は走っちゃだめなんだよ~」
後から希愛ちゃんが入ってきた
「柚乃、走ってきたのか?
だめだよ…
病気の人や怪我してる人にぶつかったらどうするんだ?
気をつけなさい」
柚乃ちゃんは俯いて
「ごめんなちゃい…」
「柚乃ちゃんは早くパパに会いたかったのよね?
次から気をつけたらいいの…出来るよね!
保育所で今日はどんな事したの?」
「えほん」
「柚乃ちゃんは絵本が好きなんだね
今度、希愛と本屋さんに行こう!」
「いく~」
「優愛、ありがとう
俺は叱ってばっかりで…
だからずっと消極的な子だったんだな…」
「バランスが大事なだけよ…叱る人と見守る人…
これからはふたりでバランスよく
支えあいましょうね」
「お姉ちゃま、そういえばさっきパパと会ったんだけど
マモくんと電話してて
真守くんだってまだ吹っ切れてないんだろう?
渡辺さんの気持ちが本物だったら
託した方がいいと思うよ…って言ってたんだけど…
何かあったの?」
「うん…ちょっとね…」
「吹っ切れてないって…お姉ちゃまの事?」
「えっ?小金沢先生の好きな人って優愛?」
「そうですよ~マモくんはお姉ちゃまの事
ママのお腹の中にいた時からずーっと好きだったんですよ」
「希愛ちゃん…」
「優愛…そうだったんだ…
なるほど…それでいままでの小金沢先生の言葉か …
手強いライバルだな…」
「でもお姉ちゃまは雄平さんを選んだんじゃないですか…
かわいい柚乃ちゃんも強力な味方ですよね」
「まあ…優愛を愛する気持ちは負けてないから
頑張るよ」
「雄平さんたら…」
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