第9章

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「パパぁ~ママぁ~」 ドアが開き柚乃ちゃんが帰ってきた 「おかえり、柚乃」 「柚乃ちゃん、おかえりなさい」 柚乃ちゃんは満面の笑みで 「ただいま!」 「柚乃ちゃん早~い、病院は走っちゃだめなんだよ~」 後から希愛ちゃんが入ってきた 「柚乃、走ってきたのか? だめだよ… 病気の人や怪我してる人にぶつかったらどうするんだ? 気をつけなさい」 柚乃ちゃんは俯いて 「ごめんなちゃい…」 「柚乃ちゃんは早くパパに会いたかったのよね? 次から気をつけたらいいの…出来るよね! 保育所で今日はどんな事したの?」 「えほん」 「柚乃ちゃんは絵本が好きなんだね 今度、希愛と本屋さんに行こう!」 「いく~」 「優愛、ありがとう 俺は叱ってばっかりで… だからずっと消極的な子だったんだな…」 「バランスが大事なだけよ…叱る人と見守る人… これからはふたりでバランスよく 支えあいましょうね」 「お姉ちゃま、そういえばさっきパパと会ったんだけど マモくんと電話してて 真守くんだってまだ吹っ切れてないんだろう? 渡辺さんの気持ちが本物だったら 託した方がいいと思うよ…って言ってたんだけど… 何かあったの?」 「うん…ちょっとね…」 「吹っ切れてないって…お姉ちゃまの事?」 「えっ?小金沢先生の好きな人って優愛?」 「そうですよ~マモくんはお姉ちゃまの事 ママのお腹の中にいた時からずーっと好きだったんですよ」 「希愛ちゃん…」 「優愛…そうだったんだ… なるほど…それでいままでの小金沢先生の言葉か … 手強いライバルだな…」 「でもお姉ちゃまは雄平さんを選んだんじゃないですか… かわいい柚乃ちゃんも強力な味方ですよね」 「まあ…優愛を愛する気持ちは負けてないから 頑張るよ」 「雄平さんたら…」
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