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渡辺さんが訪ねてきてから2週間後私は退院した
杖である程度の事は出来るようになったから
だけど自分の事が精一杯で
柚乃ちゃんの事まで出来ないので
希愛ちゃんにしばらく来てもらう事にした
「お姉ちゃま~遅くなってごめんなさ~い」
廊下をバタバタと走りながら希愛ちゃんが帰って来た
「のあちゃん!」
ドアを開けて入って来た希愛ちゃんに
柚乃ちゃんが駆け寄り抱きついた
「柚乃ちゃ~ん、ただいま~待っててくれたのぉ?」
「お帰りなさい…希愛ちゃんが帰るまで
寝ないって…頑張ってたのよ…」
「なんてかわいいのぉ~
ねえ柚乃ちゃん、お風呂入ろうか?でも眠いかなぁ…」
「はいる!のあちゃんといっしょ!」
「よーし、じゃ着替えてくるから待っててぇ」
「はーい!」
柚乃ちゃんはソファにちょこんと座って待っている
「柚乃ちゃん、良かったね」
柚乃ちゃんは嬉しそうに頷いた
希愛ちゃんがすぐに戻って来てお風呂に入った
希愛ちゃんと柚乃ちゃんの楽しそうな声が聞こえてきた
もうすっかり希愛ちゃんと仲良しになった柚乃ちゃんは
以前とは別人のようによく笑い、よく話すようになった
明るい希愛ちゃんのおかげかな…
遅い時間だからかいつもより早めにあがってきた
「お姉ちゃま、柚乃ちゃんの髪乾かしたら
一緒に寝ちゃうね」
「希愛ちゃん食事は?」
「こんな時間だよぉ~食べてきたよ」
「そうよね…もうすぐ22時だものね」
「あっ、そういえば…途中でマモくんに会ったよ…
コンビニの隣の定食屋さんから出てきて
びっくりしちゃったぁ~」
「ひとり?」
「うん、ひとりだったよ…
昨日から仕事復帰したんだって
何も作る気にならなくて食べに来ちゃったって」
「中野さんはどうしたんだろう…
体調でも悪いのかな…ひとりで外に食べに行くなんて」
「う~ん、何にも言ってなかったなぁ…」
「のあちゃん、ねむい…」
「ごめ~ん、すぐ髪乾かしてあげるから
もう少しだけ頑張ってね」
柚乃ちゃんはとろーんとした目をして頷いた
「希愛ちゃんごめんね…全部お願いしちゃって…」
「全然、毎日楽しいよ!
なんか姪っ子っていうより年の離れてる妹みたい
ほんとに柚乃ちゃんはかわいいよね」
「そう言ってもらえると嬉しいな…」
「じゃ、お姉ちゃまお先におやすみなさい…」
眠ってしまった柚乃ちゃんを抱いて行った
私はひとりになってマーモの事が気になっていた
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