第10章

7/19
前へ
/194ページ
次へ
「柚乃ちゃん、くつしたとハンカチは洗濯機に入れて バッグはお部屋にかけて来てね!手も洗ってね~」 「は~い!」 「すごいな…こんな小さくてちゃんと出来るんだな」 「雄平さんはもっと小さい時から躾には 厳しかったみたいなの…躾っていっても 当たり前の事を当たり前に出来るようにっていう 柚乃ちゃんが大きくなって恥ずかしい思いを しないように…私もそれは大切な事だと思うの」 「そういえば…圭佑おじさんもそうだったな… 普段はふざけてばかりだけど あいさつとかありがとう…ごめんなさい…には うるさかったよな… 俺も叱られた事があった… 『マモルはありがとうって言われたらうれしいだろ… 何かをしてもらったらちゃんとありがとうって 言葉にするとマモルも気持ちがいいと思うぞ でもな…マモルが誰かに何かをしてあげて ありがとうって言われなくても 何で言わないんだよ!とは思うな… 人にはいろいろあるんだ… 恥ずかしくて言いたくても言えなかったり そんな事当たり前だって思ってたり… 俺はマモルはありがとうって言える男だと思ってる』 俺はそんなふうに思ってもらえてうれしかったな 俺にとって圭佑おじさんは もうひとりの父さんみたいだったな…」 「よく覚えてるね… パパはそういう人だった… 本当にマーモの事も叱ったり褒めたり 私と同じだったね… でもね…フフ…」 「何?思い出し笑い?」 「パパによく聞かれた事思い出して…」 「ん?」 「『優愛、パパとマモルどっちが大好きなんだ? もちろん、パパだよな…?』って マーモと張り合ってるみたいだったよね」 「そうだよ…5才の俺とおじさんはライバルだったよ ゆーあの事ではね…」 「あの頃幸せだったな… 私は柚乃ちゃんにもそう思って欲しいなって… でも私は新米ママだから まだまだなんだよね…」 「ママ…だいすき!…」 柚乃ちゃんは私の隣に来てそう言った 「柚乃ちゃん、ママも柚乃ちゃんが大好きだよ」 「ゆーあ…ちゃんと思いは伝わってるよ 2人を見てたらわかるよ…」 「そうかな…?だとしたらうれしいな…」 「ゆーあは本当に母親になったんだな…」
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加