第10章

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実家に着くとみんなが揃っていた 「優愛、柚乃ちゃん置いてきて大丈夫なのか?」 ダディが心配そうに言った 「うん、マーモが見てくれてる… マーモにすっかり懐いてくれてるから大丈夫だよ」 「真守くんは小さい子にもモテるんだな」 「ダディったら…」 「冗談じゃなくてさ… 病院のみんなは真守くんが中野くんと一緒に休職した時は ふたりは何かあるんじゃないかって勘ぐっててさ だけど中野くんが結婚退職するってなったら みんなホッとしてたよ 優愛先生も中野主任も他の人と結婚するなら 小金沢先生はフリーだねって… みんなよく見てるよな だからいまはみんな真守くん狙いだよ ガクがグチってたよ 何で俺じゃないんだ…ってな」 「ガクくんらしいね… ねぇカナくん…彼女がいたんだね…希愛知らなかった…」 「カナ、お前さ…大学の同級生と付き合ってなかったか?」 「あぁ…アイツとはだいぶ前に別れてるよ… お互い忙しくってなかなか会えなくてさ… 梨花…いまの彼女とは… まだ付き合ってそんなにたってなかったから… 誰にも言ってなかった…」 「何をしてる人?」 「同じ病院の受付してる… 院長にも奈津子先生にも言ってなかった とりあえずは病院には内緒で付き合おうって始めたから」 「でもカナくんはその子の事本当に好きなんでしょ? 遊びじゃないよね…」 「ゆあ姉…俺さ、ゆあ姉みたいに強い女が好きだと 思ってたんだ…でも、梨花は誰か側にいないとダメでさ ん…なんかさ…母さんみたいな… 俺が守りたいって思ったんだ…」 「良かった… 付き合って間もなくて子供が出来たって聞いたから カナくんに迷いとかあるんじゃないかなって思ったの でも…いまのカナくんなら大丈夫だね おめでとう…」 「だけど…梨花んちが開業医って知らなくて… しかもひとりっ子だったなんて…」 「カナ…俺はお前がその子を本当に好きなら まして子供までできたんだったら まずは家族になる事を考えて その為に婿養子にならなきゃないんなら それもいいんじゃないかなって思う… 俊平に聞いたけど実家は産婦人科もやってんだろ?」 「お父さんが小児科でお母さんが産婦人科って言ってた」 「じゃ、お前にとっても悪い話じゃないよな…」
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