第10章

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「だったら…なおさら…続けて行かないと… でも…私は雄平さんと結婚するから… ずっとここにいるって約束は出来ない… ごめんね…ダディ… でもここにいる限りは一緒に守っていきたいと思ってる」 「私はいま大学病院でやっと自分の居場所を見つけたの まだまだいまの病院で勉強したい… その後の事もまだ何とも言えない… ごめんパパ…」 「お姉ちゃまもハルちゃんもお医者さんだから… でも希愛は医療とは関係ない道を選んじゃった ごめんねパパ… 希愛は海斗と結婚したい… もちろんいますぐじゃないけどね… 海斗は長男じゃないけど お兄ちゃんが海外に行ったままで 向こうで事業を始めたみたい… お父さんは海斗が高校生の時に亡くなったから お母さんは海斗だけが頼りなの… だからお婿さんみたいな事には出来ない…」 「希愛…心配するな 海斗の事情は俺も知ってる… 俺は海斗が卒業して薬剤師になったら どこかで現場を何年かやってきて 近くで調剤薬局をやったらどうだって話してる うちの病院の側なら他にも病院はあるしな だから病院を継いで欲しいとは思ってないよ 優愛と陽愛も結婚したら相手もいる事だから こっちの思い通りにはならないよ だからお前達も心配するな 病院の事は気にせずやりたい事をやれ 自分の思うように生きて幸せになって欲しい これが俺と耀の望みだ…なぁ耀…」 「えぇ…病院の事は瑛さんに任せて あなた達は自分の幸せだけを考えて…」 「ひとつだけ話しておく… いま真守くんが病院を手伝ってくれてるけど 彼は東京には帰らずずっとここにいたいと言っている 真守くんも小金沢の本当の子供じゃない事で だいぶ苦労してきたし思いもあるんだろう… 俺は真守くんさえその気があれば 病院を任せてもいいと思ってる… 本人には言ってないけどな ただお前達にはそういう事もあり得ると 思っていて欲しい… この病院の事をわかってるガクの事も考えたけど アイツには戻る場所がある… 俊平の気持ちもわかるから… ガクにその気があったとしても ずっとここに引き止めてはおけないよ」
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